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「バック・トゥ・ザ・フューチャー」にみる人生脚本|はこざき漢方内科・心身医療クリニック|JR箱崎駅から徒歩3分

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」にみる人生脚本

皆さんこんにちは。院長の千々岩です。

今日は祭日かつ、とてもいい天気なのでひと月ぶりにブログを書いています。

先週から、テレビの金曜ロードショーでは名作SF映画、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」3部作を放映する予定になっています。新進気鋭の有名な声優さんが主人公の声を演じているらしく、ネットでも話題になっているようです。

知らない人は殆どいないと思いますが、この映画は、1985年に公開されて以来、多くの人々に愛され続けてきたタイムスリップもののSF映画における最高傑作です。

私自身、小学校6年生の時に観て以来、マイベスト映画の1つになっています(^^♪。

高校生の主人公マーティが30年前の過去にタイムスリップし、ティーンエージャーだった両親の出会いに介入することで、未来を変えてしまうことになる物語ですが、心療内科医の立場から改めて視聴してみると、「交流分析」という心理学における「人生脚本」というテーマと深く関わっていることに気づかされました。

今回、映画のストーリーを交流分析の視点から読み解きながら、私たちが「人生の脚本」をどのように書き換えられるのかを考えてみます。

交流分析とは?

交流分析(Transactional Analysis、TA)は、カナダ出身の精神科医、エリック・バーンによって提唱された、人間関係や性格を分析するための枠組みとなる心理学理論です。その中でも「人生脚本(life script)」は、幼少期に無意識のうちに形成される自己イメージや行動パターンのことを指します。

私たちは、幼いころに親や周囲の影響を受けながら、「自分はこういう人間だ」「人生はこういうものだ」といった無意識下の人生計画を書き、それに沿って生きる傾向があります。

例えば、アルコール中毒の父親に育てられた女性が、「結婚したら、絶対に父親みたいな男性は選ばない!真面目な男性と結婚して幸せな家庭を作るんだ!」と強く思っていたのに、いざ結婚してみたら同じようなアル中の配偶者を選んでいた、というような話は、あるある話の1つです。

なぜこのようなことが起きるのでしょうか?

人生脚本的に考えてみると、例え理性では拒否していても、深層心理では「アル中の男性と一緒にいることが普通・当たり前」と刷り込まれている為、そのイメージに合わせた行動を、知らず知らずのうちに選択してしまうわけです。

実に恐ろしい…(;^_^A。

 

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に見る人生脚本

さて、映画の冒頭で描かれるのは、あまりパッとしない「負け犬」的なマーティ一家の日常です。

〇 父、ジョージは気弱で上司のビフに馬鹿にされる毎日

〇 母ロレインはアル中であり、慢性的にストレスを抱えている

〇 叔父さんは刑務所に服役中。 兄 姉も冴えない人生を送っている

 

また、主人公のマーティ自身も音楽の才能があるものの、「自分には無理だ」とチャレンジを諦めかけています。まさに、家族全体が「私は成功できない」「夢を追っても無駄だ」というネガティブな人生脚本に縛られている状態に陥っている訳です。

そしてマーティがタイムマシンに改造されたデロリアンで1955年にタイムスリップすると、若き日の両親の姿が明らかになります。

注目すべきポイントは、父親ジョージの性格が「気弱でいじめられっ子」ということです。彼は、学校でガキ大将のビフにいじめられながらも、反撃することなく従っています。

 

(ドラえもんでいえば、のび太とジャイアンの関係そのまんまです)

この時期、ジョージの心の中には「僕は弱い」「強いやつには逆らえない」「運命には抗えない」といった脚本が強化されたことでしょう。そして、そのままの脚本に従って生きた結果、1985年のジョージも気弱で自分に自信が持てないまま父親になってしまったのでした。

映画のクライマックスでは、マーティの介入によってジョージがビフを殴り飛ばし、母親ロレインを守るという場面が描かれます。この一瞬の勇気が、ジョージの人生脚本を書き換える大きな転機となります!

結果として、1985年の未来に戻ったとき、ジョージは自信に溢れ、成功した作家になっており、家族の雰囲気もガラリと変わったことにマーティはビックリ仰天!

家は豪華になり、以前は上司だったビフもジョージに頭が上がらなくなり、パシリとして車のワックスがけをしている始末(;^_^A。アル中で太っていた母親ロレインも明るく健康的になり、兄や姉もリア充化していたのです。

 

私たちも脚本を書き換えられる

勿論、映画ではタイムマシンというフィクションの力が作用することで、人生脚本の書き換えに成功したわけですが、実は我々一般人でも、自分のネガティブな脚本を書き換えることは可能です(`・ω・´)。

では、自らの脚本を書き換えるにはどのようなことに気を付けたら良いのでしょうか?

1:自分の脚本を知る
「私は◯◯な人間だ」という思い込みを意識化する。(例:成功できない、幸せになれない、挑戦しても無駄)

2:脚本の起源を知る

なぜそのように思い込むように至ったか? 幼少期の体験や、親からのメッセージを振り返ってみる。

例:「どうせお前にはできない」 「私の子だから無理でしょ」「私がいないと、あなたは何もできない」etc。

3:新しい脚本を書き直す。

「私は◯◯できる」という新しいストーリーを作り、小さな成功体験を積み重ね、備わった自信によってこれまでの脚本を上書き保存する。

 

三部作のラストで、タイムマシンの発明者であり、マーティの親友でもあるエメット・ブラウン博士はマーティと彼女に、このように語ります。

It means your future hasn’t been written yet. No one’s has.
人間の未来はすべて白紙だということさ

Your future is whatever you make it,
未来は自分で作るのだ

so make it a good one, both of you.
君らもいい未来を作りたまえ

 

この映画から私が感じ取れるメッセージは、「人は過去の出来事に少なからず影響を受けるが、自分の未来の脚本は自分自身で書き換えることができる」というものです。

 

「人生の脚本は自分で変えられる」、是非皆さんもバック・トゥ・ザフューチャーを観るときはこのポジティブなメッセージを受け取ってみて下さい♪

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