祝、「ハコカン」一周年! どうするハコカン?
皆さん、こんにちは(^^♪ 院長の千々岩です。
お陰様ではこざき漢方内科・心身医療クリニック、通称「ハコカン」も、6月1日に開院一年を迎えることができました。
これもひとえに、クリニックスタッフ、関係者の皆様そして当クリニックに通い続けてくれている患者さん皆様のお陰だと心から感謝しております。改めて御礼申し上げますm(__)m。
ところで、うちのクリニックでもストレス疾患により、心身を疲弊し休養に入られている患者さんが多数いらっしゃいます。そしてまた、その中から何人もの患者さんが、毎月、復職や社会復帰に成功していかれています。
私のクリニックは医師一人、スタッフ数人の小さいクリニックですが、患者さんの復職率は他のクリニックに比べても決して劣るものではない、そう密かに自負しております。
今回は休職、そして復職に関して少し述べてみたいと思います。
私の外来では、ほとんどの患者さんが「元々の自分の元気な状態を100%に例えると、ここ一週間の自分のパーセンテージの平均はどれくらいですか?」、そう聞かれていることでしょう。
実は結構、この質問で面喰ってしまう患者さんは少なくないのです(笑)。なぜなら、ほとんどの方が「here and now (今ここで)」の状態で生活しており、自分のエネルギー量なんか考えたことがない人が大部分だからです。
若い時、元気な時においては、それでも大きな問題はありません。一晩寝れば体力のほとんどは回復できるでしょうし、嫌な出来事もすっかり忘れてしまっているでしょうから…。
しかし、年をとってきたり、更年期になったり、疲れていたり、ストレス状況になってしまえば話は変わってきます。なぜならうつ病、不安障害、心身症など多くのストレス関連疾患では、仕事量アップや昇進・異動に伴う責任といったストレスと、自分の中に残された「エネルギー量」との間にあるミスマッチが、発症原因の一つに働くことが少なくないからです。
元気な時であれば跳ね返せたはずのストレスが、コロナ罹患後、夫婦の離婚、借金返済、上司のパワハラといった慢性ストレス下では、病気発症のとどめに働くことが、なんと多いことか…。私はこれまで、複数のストレスの合わせ技で、ストレス病を発症した患者さんたちを、数えきれないほど診てきました。
ですので、逆にストレス疾患からの回復を図るためには、自らのエネルギーがどれくらいの状況にあるのか、まずは意識することが大事です。そして次にエネルギーは有限であり、休養期間中は無駄使いを避け、エネルギーの「積み立て貯金」を作っていくことが重要になってきます。
患者さんの中には、いつもより動ける日が出てくると、普段はできない分の家事や仕事などを思い存分やろうとして、ひっくり返ってしまう方がかなりの割合で存在します。
現在、大河ドラマ「どうする家康」が話題になっておりますが、徳川軍の武勇の要となる武将に本多忠勝という猛将がいます。
名槍「蜻蛉切り」を手に、五十余度の戦に出て、かすり傷一つ負ったことのない戦国時代のレジェンド武将です。
この忠勝が晩年、もともと6m長あった、蜻蛉切りの柄を約90㎝ほど切って短くしたという逸話が伝わっています。「老いて体力が落ちた自分が戦場で使うのには、これくらいの長さが丁度良い」との理由だったそうですが、戦国ファンでもある私はこの地味なエピソードがとても好きです。
恐らく、忠勝が猛将ながら一度も怪我を負わなかったのも、その現実検討能力の高さによるところも大きかったのではないでしょうか。
ドラマではもうすぐ「本能寺の変」。戦国時代最大のミステリーをこのドラマではどう描くのか?
楽しみながら視聴しようと思います(^^♪