直美と直精にご用心(`・ω・´)!
皆さん、こんばんは。
現在、紅白歌合戦を聴きながらブログを書いています。
ところで、皆さんは「直美:ちょくび」という言葉をご存じでしょうか?
通常、医師は国家試験合格後、二年間の研修医期間を経て、内科医であったり、外科医であったり、専門分野にて研鑽を積みます。
ところが、研修終了後、それらのトレーニングを積まずして、いきなり美容クリニックで働き始める若い医師が最近増加の一途を辿っているのです。
研修医終了後、「直接美容外科に進む」これを略して「直美」というわけです。
この理由としては、年々減らされていく診療報酬、ジリ貧になりつつある健康保険制度に対する若い医師の危機感があると思われます。
そのような医療情勢の中、高額な報酬とオフタイムが充実している美容外科は、とても魅力的に見えるのでしょう…。結果、充分なトレーニングや研修を行うことなく、大手美容クリニックに就職したり、開業してしまうわけです。
その結果、モラル無き医師が訴訟トラブルに巻き込まれたり、退職後のキャリア形成に失敗したという話が、多く伝わってきています。そういえば、ある女性美容外科医がSNSにアップした写真にご遺体が写りこんでいたことが、最近大きな問題になっていましたね…。本当に情けない…。
一方、メンタルヘルス界隈でも最近問題になってきているのが、「直精」です。
こちらは研修医終了後、直接精神科クリニックでの就職、という意味になります。
福岡においても、ここ数年博多駅周辺、天神周辺に多くの新規メンタルクリニックが誕生しました。
このうちの多くで、直精のドクターが非常勤医師に留まらず、院長や雇われ院長職を務めている状況になっているとのこと。中にはメンタルヘルスとは全く関係のない、元病理医の院長や肛門外科の非常勤医もいると聞いています。
直美同様、彼らは精神科医や心療内科医としての経験を殆ど積んでいないのが特徴です。
そして経営者により、出来るだけ短時間で多くの患者さんを捌くよう命じられています。
その結果、最低でも30分以上は時間をかけるべき初診を5分で済ます医師や、どんな向精神薬を出していいか分からず、医療クラークに処方内容を聞いている医師もいるという始末…。
さらには、そのようなクリニックほど、潤沢な資金力を用いてネット上に多数のサクラ口コミを書かせている為、一見すると、とても魅力的なクリニックに見えてしまいます。
最近、こういったクリニックを受診して、嫌な思いにあった患者さん達が、うちのクリニックを相次いで受診した為、この話題を取り上げました。
最後に直精クリニックに引っかからないよう、注意するべき点をいくつか挙げておきます。
1:HPで医師の経歴、取得している専門医資格や所属学会などが記載されているか?
⇒直精のDrではこれらの記載が基本ありません。もちろん専門医を有しているからといって、名医であるという保証はありませんが、少なくとも直精の医師を避けることはできます。
2:開院して間もないのにネットの口コミが、多数の高評価で占められている。
⇒こういうクリニックでは、特典やサービスを用意して、高評価へと誘導しているようです。
3:ネットの口コミより、リアルの口コミ。
⇒ネット全盛の時代ですが、バーチャルよりもリアルを大事にする姿勢は重要でしょう。
以上です。それでは皆さん、よいお年をお迎え下さいませm(__)m。