炎症とストレスとコロナ後遺症|はこざき漢方内科・心身医療クリニック|JR箱崎駅から徒歩3分

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炎症とストレスとコロナ後遺症|はこざき漢方内科・心身医療クリニック|JR箱崎駅から徒歩3分

炎症とストレスとコロナ後遺症

皆さんこんにちは。院長の千々岩です。
最近、私のクリニックにも、新型コロナウィルス感染症に罹った後、もしくはコロナワクチン接種後に
体調不良を起こした患者さんが多く受診されるようになりました。
ちなみにワクチンを接種することも、ウィルスに罹ることも体内に異物が入るために「炎症」という状態を起こします。
この炎症、古典的には「熱感」、「腫脹」、「発赤」、「疼痛」の4つを特徴とし(ケルススの4徴候)、私が医学生の時は皮膚科の授業で習いました。
例えば蚊に刺された跡が、膨れている状況のことを思い出していただくと、わかりやすいかもしれません。
蚊に刺されると、皮膚内に異物(蚊の唾液)が注入されます。すると、皮膚組織におこったダメージに対して、様々な血球(白血球、血小板etc)が集合し、それらが吐き出した化学物質(ヒスタミン、キニン、ロイコトリエン)の濃度が高くなります。この結果、上記のような現象が起きてくるわけです。
通常、この炎症は急性であり、一時的なものです。また、蚊に刺されたケースでは局所的で微細な炎症にとどまりますが、激しい感染症やたちの悪いウィルス・細菌による感染症、大けが、大やけどに罹ってしまった場合は全身をまたにかけた激しい炎症が起きてしまうため、発熱や全身倦怠感、食欲の低下といった症状も出現してきます。
炎症は一種の生体防衛反応のため、基本、人体における脅威が去れば、自然に収束していくのが原則ですが、いくつかの条件下では、ズルズルと炎症が慢性化してしまうことがあります。
これにより、いつまでたっても微熱やうつ状態、全身倦怠感といった炎症の症状が続いてしまい、難治性・慢性化した状態へとつながるわけです。
コロナ感染後の後遺症、いわゆるlong Covid(ブレインフォグ 慢性疲労症候群 感染後うつ状態)も上記の状態に該当するものと思われます。
そして、先に述べた炎症の慢性化につながる条件の一つが、心理的ストレスです。
私が九大の大学院で行った実験が、まさに今回のテーマにオーバーラップするものでした。
1:いじめっ子ネズミの檻に、いじめられっ子ネズミを入れて、接触させた後、仕切りで分けて一時間にらめっこをさせます。
2:この社会的敗北ストレスを、1日だけうけたネズミと、5日間連続して受けたネズミにそれぞれウィルス感染を模した注射(二重らせんRNA)を投与します。
すると、5日間ストレスを受け続けたネズミだけが、注射後も長引くうつ状態と、知覚過敏を発症したのです。
(※この現象はストレスホルモンを阻害する薬剤の投与で、消失させることができました)
また、子宮頸がんワクチンの後遺症を発症した39例のうち、半数近くの18例に、強い心理的ストレス(両親の離婚やいじめ体験、教師からのパワハラ)をワクチン接種前に体験していたという報告もあります。
これから、オミクロン株対応の4回目のワクチン接種も始まりますが、皆さんワクチンを接種する際は、必ず万全の体調で受けるようにしてください(`・ω・´)。
また、3年間のコロナ禍により、私たちは慢性的な心理ストレスにさらされているネズミとある意味同じ状況に置かれているともいえます(;^_^A…。
こういうストレスに満ちた時代だからこそ、心身をリラックスさせる趣味やレジャーを持つこと、笑いやユーモアを忘れないことは大切かもしれませんね(^^♪
 

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