漢方薬と副作用
- 2022年8月2日
- コラム
皆さん、こんにちは。院長の千々岩です。
お陰様で、6月1日の開院から、無事二か月が経過しました。
スタッフに新しい事務の方も迎え、これからも元気いっぱいに診療を続けていくつもりですので、応援宜しくお願いしますm(__)m。
さて、今回は漢方薬と副作用のお話です。患者さんの中には、「漢方薬は現代薬と異なり、副作用がなくて安心♪」などと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、これは誤りであり、漢方薬も薬である以上、副作用と無縁ではありません。特に漢方薬の7割に含まれていると言われる、甘草(かんぞう)は、一日の摂取量が2.5gを超えると「偽性アルドステロン症」という副作用が出現しやすくなります。
例えば、こむら返りによく処方される芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)ですが、こちらのエキス剤を他の漢方薬と同様に、一日3回服用すると、6gの甘草を摂取することになってしまいます。
この場合、偽性アルドステロン症に伴う、高血圧、むくみ、低カリウム血症が出現する確率が、飛躍的に上がってしまいます。特に低カリウム血症は、筋肉のけいれんや不整脈の出現にも繋がるため、気を付けるべき副作用の一つと言えます。ですので、皆さんも芍薬甘草湯を処方されたときは、痛みなどの症状を感じた時だけの頓服薬として使用してください。
また、偽性アルドステロン症の他にも、一部の漢方薬では肝機能の値が上昇することもあります。ですので漢方薬を処方する前後においては、血液検査を行うことがありますので、ご理解の程よろしくお願いいたしますm(__)m。