気象病と漢方
皆さんこんにちは。院長の千々岩です。
梅雨に入ってしばらく経ちますが、体調の方は如何でしょうか?
私は、昔からこの時期がすこぶる苦手で、雨降り前には頭痛や頭重感などの症状が出るため、子供の時から梅雨の時期は大嫌いでした(;^_^A…。
この症状は、俗に「気象病」と言われ、湿度や気圧変化がストレスとして働くことで、自律神経機能の乱れが生じ、めまい、頭痛といった困った症状を起こすと言われています。
この気象病、天気痛とも言われますが、困っている人は、なんと推計1000万人以上もいるとかいないとか…。
内科医時代は、一般的な鎮痛剤でしか太刀打ちできなかった私ですが、漢方医になってからは、気象病の症状にも大分有効に対処できるようになりました(`・∀・´)。
ところで漢方医学では、生体は「気 血 水」の3要素がバランスを取り合うことで健康を維持すると考えます。
「気」は目には見えないが、確かに存在する生体エネルギーのこと。「血」は赤色をした液体(血液)とそれに含まれる栄養や機能のこと、そして最後に「水」ですが、生体の内部環境を支える無色透明な液体のことを指します。
この水ですが、現代医学的にはリンパ液や組織液に置き換えられますが、これが生体の中で偏って存在する状態を水滞(または水毒)と呼びます。
水毒の代表的な症状を挙げると、水様性の鼻水、下痢、浮腫、立ち眩み、めまい、車酔いなど様々なものが挙げられますが、実は気象病の症状は、これそのまま、水毒の症状に当てはまるのです!
水毒に対して効果を持つ生薬は、茯苓(ぶくりょう)、沢瀉(たくしゃ)、猪苓(ちょれい)、朮(じゅつ)といったものがありますが、これらは体内で偏在した水分を、正常化させる力を有しています。
これらが含まれる漢方薬を、利水剤とよび、五苓散(ごれいさん)や、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)、半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)が代表選手です。中でも五苓散は効果発現の時間が早く、私が頭重感に対して服用した際は、症状がなくなるのに5分もかかりません。
梅雨が明けるまであとちょっと…。
水毒の症状でお困りの方は、是非相談して頂ければと思います(^_-)。