動物性生薬の思い出|はこざき漢方内科・心身医療クリニック|JR箱崎駅から徒歩3分

〒812-0053福岡県福岡市東区箱崎3丁目5-42 エフタス3F

※完全予約制ですので、
事前にお電話をお願いいたします

TEL,092-645-2488
ヘッダー画像

ブログ

動物性生薬の思い出|はこざき漢方内科・心身医療クリニック|JR箱崎駅から徒歩3分

動物性生薬の思い出

みなさんこんにちは。

久しぶりに今日の話題は漢方関係で(^^♪。

漢方薬は、天然由来の植物、動物、鉱物由来の生薬で構成されていますが、中には変わり種の生薬もいくつか存在します。

特に、動物性生薬には一風変わったものが多く、昆虫のアブのことである虻虫(ぼうちゅう)、ヒルのことである水蛭(すいてつ)、みんなの嫌われ者、「G」と略される虫の仲間である、䗪虫(シャチュウ)などが代表例でしょうか…(;^_^A。

前者二つは、血を吸う吸血性の生物であるのがミソです。

ちなみに虻に関しては、血を吸うのはメスだけであり、オスは花の蜜を吸うだけとのこと。

 

この点は蚊と同じで、卵巣の発達のためハイカロリーな血液を必要とするのでしょう。まさに肉食系ならぬ、吸血系女子(;^_^A。

そして、ヒルは古くはヨーロッパで瀉血療法の道具として利用されており、20世紀初めころまではフランス、ドイツ、イタリア、オランダにおいて緑内障や脳卒中、肺結核への治療に使われていたそうです。

そういえば、以前「ヒルドイドローション」という医薬品を美容アイテムとして、保険下で大量に処方してもらう女性たちが社会問題になったことがありますが、このヒルドイドの語源もヒルがもとになっています。

ヒルに含まれているヘパリン類似物質をヒルジンと言いますが、ドイツ語の「ヒルド(蛭族)」+「oid(~のようなもの)」を合わせてできた言葉がヒルドイドとのこと。

これら動物性生薬には、強力な駆瘀血(おけつ)作用が備わっており、植物性生薬由来の漢方薬では改善しきれない、頑固なドロドロ血液を、サラサラ血液に変えてくれる薬効があります。

 

以前、私は茨城県の鹿島で過ごした漢方修行時代に、ある女性患者さんに抵当湯(水蛭+虻虫+桃仁+大黄)の煎じ薬を処方したことがありました。しかし薬局で渡された薬に羽根つきの虫が入っていることに大激怒!! 結局その薬は飲まれぬまま、返品されてしまったのでした( ;∀;)。

最後に、当クリニックで処方している漢方エキス剤には上記の動物性生薬は含まれていないのでご安心を(^^♪

 

どうしても処方希望の場合は、処方可能な医療機関をご紹介させて頂きますね( ´艸`)。

 

 

PageTop