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メンタルヘルスに有用な栄養素(ビタミンB Dについて)|はこざき漢方内科・心身医療クリニック|JR箱崎駅から徒歩3分

メンタルヘルスに有用な栄養素(ビタミンB Dについて)

皆さんこんにちは。

前回のブログでも取り上げたバック・トゥ・ザフューチャーのPART2 を金曜ロードショーで久しぶりに視聴しました。

PART2では、悪役ビフがタイムトラベルを利用し、過去の自分に「スポーツ年鑑」を渡すことで大富豪になります。そして彼は、富と権力を駆使して街を牛耳り、独裁者のような存在となるのです。

この描写、トランプ大統領が1980年代に「不動産王」として君臨していたときの様子をモデルにしていることは、脚本家も認めている事実です。

 

良くも悪くもアメリカの大統領の存在は、世界の趨勢に少なくない影響を与えます。

バック・トゥ・ザフューチャーPART2で出現したディストピア(絶望郷)がリアル・ビフによって実現しないか、映画を見ていて少し心配になった私でした(;^_^A…。

 

話は変わりますが、うつ病が「抗うつ薬」の治療だけでは、完治しにくいという事実については以前のブログ「うつ病に対する二刀流治療」でも取り上げました。

ちなみにうつ病の患者さんの約 30〜40% は、最初に処方された抗うつ剤で十分な効果を得られないと言われています。

さらには、うつ病は 生物学的・心理的・社会的要因(Bio-Psycho-Socialモデル)が関与している多因子疾患であり、抗うつ剤はこのうち 生物学的要因の一部 にしか作用しません。

 

うつ病の発症要因と治療に関してそれぞれ挙げてみると

生物学的要因(脳内神経伝達物質の異常) → 抗うつ剤が作用する部分

心理的要因(思考パターンや性格、トラウマ) → 認知行動療法やカウンセリングなどの心理療法が有効

社会的要因(ストレス、環境、生活習慣) → 生活改善・環境調整が必要

 

以上のような複数の因子が絡み合って引き起こされる病気の為、うつ病の治療においては様々な治療戦略を提案できる主治医の存在が不可欠です。以前のブログで取り上げた「直精」の医師による治療がお話にならないのも、この点におけるスキルや経験値が圧倒的に不足しているが故です。

 

上記3要因のうち、社会的要因の改善の為には、食事や運動などの生活改善が肝要ですが、特に食生活・栄養不足の改善は、うつ病を始めとするストレス関連疾患の治療には今後不可欠になると思われます。

 

今回はメンタルヘルス改善において、私が特に重要と考えるビタミンを二つほど挙げてみましょう。

 

1:ビタミンB群

ビタミンB群(B1、B2、B3(ナイアシン)、B6、B9(葉酸)、B12)

 →これらは、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンや、ドーパミン、ノルアドレナリン、GABA(γアミノ酪酸)といった 神経伝達物質の合成に必須のビタミンです。

また、糖質、脂質、タンパク質の代謝にも欠かせませんので、不足気味になると、体内のエネルギー通貨であるATP産生が低下し、疲労感や倦怠感の原因にもなります。

 

当クリニックでも、ビタミンB群のサプリが奏功した患者さんでは、疲労回復、睡眠の質の改善、抗不安薬・睡眠導入剤・抗うつ薬の減量・離脱、仕事のパフォーマンスの効率アップ、脳疲労の改善が認められています。

 

ちなみに私自身がビタミンB群のサプリをこの数か月間服用して感じたのは、

糖質への欲求が激減したこと(以前は診療で疲れたときにはハーゲンダッツのアイスに手が伸びていました。

 現在は間食はナッツ類で十分な状態になりました♪

〇ストレス時の口内炎がほとんどできなくなったこと 

階段昇降時のきつさを感じなくなったこと

論文や資料の理解・読み込みがスピーディーになったこと

ブログの更新スピードがアップした( ´艸`)。

以上でしょうか♪

 

2:ビタミンD

ビタミンDは 「太陽のビタミン」 とも呼ばれ、骨の健康だけでなく、実はメンタルヘルスにも深く関係 しています。

(ちなみに私が医学生の時は、骨代謝やカルシウム代謝との関係しか知られていませんでした)

近年の研究では、うつ病、不安障害、認知機能、ストレス耐性 などに対して重要な役割を果たしていることが示唆されています。

 

特に冬になると気分の落ち込みなど、メンタルヘルス不調が出てくる人が多いのですが(冬季うつ)、その理由の一つがこのビタミンDの不足です。

日照時間の低下により、紫外線の働きで皮膚におけるビタミンDの前駆体の産生が低下することが原因と言われています。

ちなみに私自身も冬になり、お天道様が隠れると元気がなくなるので、この季節は欠かさずビタミンDサプリを服用しています。

さらには花粉症の改善やウィルス感染への抵抗力増強も報告されており、今後注目されるべき栄養素の1つと言えるでしょう。

 

今回はメンタルヘルス改善に関与する主要なビタミンについて述べてみました。

栄養面からストレス疾患を改善させるアプローチは、まだまだ発展途上ではありますが、いずれ必須の治療となっていくと私は予想しています。

 

それでは今日はこの辺で(^^♪

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