ストレス病の良くなり方のイメージ
皆さん、こんにちは。院長の千々岩です。
さて、いよいよ梅雨の時期に突入しましたね(;^_^A
私は冬から春の季節変化、夏の暑さ、秋から冬の季節変化、冬の寒さ、オールシーズンに弱い虚弱ドクターなのですが、とりわけ苦手なのが、この梅雨でして…。
小学生の時から頭重感、頭皮の浮腫み、大雨前の頭痛には悩まされてきました( ;∀;)。
漢方を学ぶようになり、このような現象が「水滞(水毒)」:体内における水分のアンバランスに由来するものと分かり、漢方薬を服用するようになったことで、大分すごしやすくなりました。
水滞の患者さんは、何故かストレス疾患をもつ患者さんの6-7割には存在している印象を持っていますので、気になる方は是非、当クリニックにてご相談頂ければ(^^♪。
さて、今回のブログのテーマですが、うつ状態やパニック障害、心身症といった疾患を総称して、「ストレス関連疾患」と呼ぶのですが、当クリニックの治療でどのように改善していくのか、そのイメージについてお話ししたいと思います。
当クリニックを受診される患者さんの中には、血液検査や画像検査をもってしても異常が認められない、しかしご本人はその症状で困り切っている、そういった方がとても多く見られます。
一般的に心理的ストレスに伴う自律神経系の症状は、そのまま現代医学的な検査所見に反映されにくいことが多く(胃潰瘍や喘息といった心身症は別ですが)、虚弱体質を持つ患者さんでは、心理的プレッシャーのみならず、気温や湿度、環境の変化にも弱いため、自律神経系やホルモンバランスが崩れやすく、その患者さんの敏感なところ(呼吸器 消化器 皮膚 etc)にストレス反応が出現しやすい傾向にあります。
ですので、緊張や不安、動悸といった症状に対して、抗不安薬のみを処方して終わりの医療機関がありますが、はっきり言えば「虫歯の痛みに対して痛み止めを処方しただけ」、といっても過言ではないでしょう。
また、抗不安薬の連続服用は肉体的・心理的依存を作り出す原因にも繋がります。皆さんも、何の説明もなく抗不安薬を長期日数、てんこ盛り処方するクリニックには、くれぐれもお気をつけください。
一方、ストレス病で受診される患者さんの中には、「医者が薬で何とかしてくれるだろう」とか、「自分自身は乗り気ではないのだが、家族に勧められて仕方なく来た」といった、治療に関して消極的な方がときにおられます。
心療内科における治療では、外科系の科で手術を受けるときのように、医者側にすべてを任せるというスタンスでは、残念ながら良くはなりません。
なぜなら、「ストレス病は人生病」とも例えられるように、その人の成育歴、パーソナリティ特性、適応様式、生活習慣など、様々なその患者さんの人生における積み重ねが、現在の病状に反映されている場合が多いからです。
ところで心療内科の治療をマラソンに例えれば、患者さんは「選手」であり、心療内科医は「コーチや伴走者」の立ち位置に相当するかもしれません。つまり、他人任せではなくて「自分の人生における問題」として取り扱うことができるようになった場合、その患者さんの病状は飛躍的に良くなることが多いです。
そして、自分の人生における「クセ」を見つけることに成功し、それを克服することができた患者さんでは、これまで必要としていた向精神薬や漢方薬も段々と必要としなくなります。
自転車の練習で言えば、それまでは親が後ろで支えていたり、補助輪がついていたのが、サポートが外れてもバランスを崩さず、自分自身で運転できるようになったイメージです。
この頃になると、患者さん側にも内服薬の「飲み忘れ」が目立ってきます。
「先生、ゴメンナサイこの間頂いたお薬、二週間くらい余ってしまって…。」
このような発言が出てきた場合、高血圧や糖尿病の患者さんでは「忘れずにしっかり飲んでください」と言われるところですが、私の外来ではむしろ褒められます(笑)。
ようするに、車に例えると以前はアメ車並みにガソリンを食っていた患者さんが、軽自動車もしくはプリウスなみに、脳内ガソリンの燃費が良くなったことを意味するからです。(薬の力を借りずとも、自分の脳内エネルギーをマネジメントできるようになったということです)
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このような状態が出てくれば、お薬を減らしたり、離脱していくこともそう難しいことではなくなります。
当クリニックの外来から患者さんは毎月何人も卒業していっているのですが、卒業されたすべての患者さんにおいて、ストレス耐性が以前よりも格段に強くなっていることを実感します。
この時の患者さんの笑顔が見たいが故に、何かと大変なこの仕事を私も続けられている気がします。
医学生時代は、患者さんの笑顔をみることができるトップの科は産婦人科!とよく友人の間で話題になっていましたが、齢50を超えた今、「いやいや、心療内科も負けないよ!」そう胸をはって言える私がいます(笑)。