ストレス病における休職のHow toについて|はこざき漢方内科・心身医療クリニック|JR箱崎駅から徒歩3分

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ストレス病における休職のHow toについて|はこざき漢方内科・心身医療クリニック|JR箱崎駅から徒歩3分

ストレス病における休職のHow toについて

みなさん、こんにちは(^^♪。

相変わらずの猛暑が続きますが、如何お過ごしでしょうか?

先日、私は夏バテ予防に、北九州にある某鰻屋さんに約20年ぶりに行ってきました。

 

昔、飯塚病院で勤務していた時に初めてそのお店の鰻を食べたのですが、「外はカリッ、中はフワっ」とした食感のコントラストに完全に悩殺されてしまい、それ以来私の中の「マイベスト鰻屋」に君臨し続けている名店です。

博多阪急にもテイクアウトできる出店が入っていますので、ご興味がある方は是非ご賞味くださいませ。 

 

ところで、当クリニックに来られる適応障害やうつ病の患者さんの中には、心身の消耗が強いために、休職診断書を必要とされる方々が、少なからずいらっしゃいます。

真面目な患者さんにとって、祝祭日以外で長期に休職をとることは初めての経験であるがゆえに、主治医から休職を勧められても、心理的な抵抗を感じてしまう方が少なくありません。

 

また、日本人あるあるなのですが、休むことに関して「これって甘えでは?」 「サボりでは?」「同僚に迷惑がかかってしまう」「管理職である私が休んだら、部下に示しがつかない」etc etc….の理由で、極力休まずに改善させようという人達が少なくありません。

こういう時、まず考えなければいけないことは、「自分ファースト」!

確かに、自分が休むことで何かしらの影響は勤め先に与えてしまうかもしれません。

しかし、あなたが休んだとしても会社が倒産することはまずありません。

それに休んだ分の仕事の穴は、まともな会社であれば、内部のシステムにて埋め合わせは可能なはずです。

(それができない会社は、ブラックだったり何かしらの問題を内包していることが多いですが…)

 

むしろ、脳のエネルギーがガス欠になった状態で、無理やり仕事をすることは、更なる状況の悪化を生んでしまいます。

例えば、公共交通機関の運転手の方であれば、多くの乗客の命を危険にさらすことに繋がります(過去にもJR福知山線脱線事故やスキーツアーバスの事故など、ストレスや過労による痛ましい事故が起きています)

また我々医療関係者であれば、薬の処方や投与量の間違え、患者さんの取り違えによる重大なミスも起こり得るでしょう。

結局、ドクターサイドから休養を勧められた場合、それに従った方が賢い選択になります。

ストレスに追い詰められて「死」を意識する状態ならば、その仕事を辞めた方がマシですし、さらに言うなら退職よりも休職を選択した方が遥かにお得です。(傷病手当金の受給といった経済的サポートを受けたり、これからの人生を見直すきっかけや猶予も与えられることになります)

 

ところで、休職が必要なうつ病の場合、その期間は2~3か月で書いてもらった方が宜しいでしょう。

クリニックによっては2週間~1か月の診断書しか出さないところがありますが、正直あまり良心的とは言えません。

なぜなら、ほとんどの患者さんは最初の1ヶ月の休みは、「休むことにようやく慣れた」期間にしかならないからです。

更には、1ヶ月の休養診断書の場合、9割の患者さんは、折り返し地点である2週間が過ぎた頃から猛烈に焦り始めます。

 

ですので、1ヶ月ガチで休むには2か月の診断書がいるでしょうし、2か月のちゃんとした休養が必要ならば3か月の休養診断書が必要となる、というのが私の休養診断書に関しての持論になります。

 

他のメンタルクリニックにおける実情は知りませんが、私の経験上、休養診断書を3か月で記載したとしても、この期間内で見事に復職をきたすのは大体2~3割くらいの患者さんになるでしょうか…。逆に言えば、これらの患者さんは「休むことが上手」 「勤め先がメンタルヘルスに理解がある」「家族に恵まれている」「患者さんの学習能力が高い」など、好条件に恵まれている方が多い印象をもっています。

逆に「体育会的思考」、いわゆる「努力や根性で何とかしてみせる」、といった思考が染みついている方、休むことに罪悪感を感じることで肉体的に休んでも心が休めていない方、家族やキーパーソンによるサポートに恵まれていない方では、休職期間が長期化する傾向が見られることが多いです。

 

そういった方における、「安全基地」を提供すること、そして脳内エネルギーの充電効率が高くなる抗うつ薬や、自律神経系の失調状態を回復させる漢方薬を選択・提案することが、漢方心療内科医としての腕の見せ所になるわけですが、この話はまた別の機会に…。

 

最後になりましたが、私の心療内科医歴25年の経験の中で、「あ~~、あの時休職なんかするんじゃなかった!!」なんて、患者さんからクレームを言われたことはただの一度もありません。

 

むしろ、「あの時、しっかり休めたから元気に復職できた」 「自分の人生を見直すきっかけになった」 「家族のありがたみを再認識した」といったような、ポジティブな声がほとんどだったように思えます。(もちろん休職初期ではなく、復職を果たし、私の外来が卒業間近になったときのレトロスペクティブな感想になります)

 

このように休職するときの状況は、ピンチではあるのですが、今後の自分の人生を見つめ直すチャンスでもあるのです。

もし私から休職を勧められた場合、今回のブログの内容を思い出して、前向きに受け入れていただければ幸甚です(^^♪。

 

 

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