ストレス疾患に使える、安心・安全な漢方薬その2. 桂枝加芍薬湯|はこざき漢方内科・心身医療クリニック|JR箱崎駅から徒歩3分

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ストレス疾患に使える、安心・安全な漢方薬その2. 桂枝加芍薬湯|はこざき漢方内科・心身医療クリニック|JR箱崎駅から徒歩3分

ストレス疾患に使える、安心・安全な漢方薬その2. 桂枝加芍薬湯

こんにちは(^^♪ 院長の千々岩です。

梅雨は続くは、猛暑日は続くは、なかなか厳しい毎日ですが、皆さん如何お過ごしでしょうか?

 

ところで皆さんは、試験前にお腹が痛くなったり、トイレに駈け込みたくなる体験をしたことはありませんか?

私はあります( ー`дー´)キリッ。

医学生時代、口頭試問の前には、いつもトイレに行ってから受けていたことを思い出します…( ;∀;)。

 

このように、心理的ストレスにより、腹痛や排便異常(下痢、便秘)をきたすストレス病のことを過敏性腸症候群と呼びます。

過敏性腸症候群の原因はハッキリと解明されたわけではありませんが、ストレス以外にも、遺伝的体質、自律神経系の過敏性、腸内細菌のバランス異常などが影響していると考えられています。

また、脳腸相関といって、人体では脳から腸、腸から脳へと、互いに信号のやり取りが行われていますが、過敏性腸症候群の患者さんではこの信号が強すぎることが、病態に関与しているようです。

さて、このような過敏性腸症候群の症状に対して、よく効いてくれるのがこの「桂枝加芍薬湯です。

桂枝加芍薬湯は、桂枝、芍薬、大棗、生姜、甘草といった5つの生薬で構成されている処方で、「桂枝加芍薬湯」という名前の通り、「桂枝湯」という処方に含まれている芍薬が1.5倍に増量されている処方になります(ツムラの医療製剤の場合)。

 

感冒による頭痛、発熱に使用される桂枝湯が、芍薬が増えることにより、腸管の異常な蠕動運動を改善させてくれる処方に変身する、というのは漢方医学ならではの特性であり、とても面白いところです。

 

また、芍薬中の有効成分ペオニフロリンには鎮痛作用、炎症抑制作用に加えて、中枢神経系における鎮静作用も含まれるため、ストレス性の腹痛に対して、よく効いてくれるのかもしれません。

 

ちなみに、「芍薬」という名前の通り、元々は薬用に使用されてたものが、後に観賞用に広まったとされています。灼熱の「灼」と同様に、芍薬の「芍」という感じには「輝くような」という意味があります。

顔美草(カオヨグサ)という別名もあるように、「輝くような美しい花」である芍薬は、当帰芍薬散や加味逍遙散、桂枝茯苓丸といった女性用3大処方にも含まれています(^^♪。

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