ドラクエⅢ≒不安階層表?
こんにちは、11月ももう中旬に入り、すっかり晩秋になりましたね。
ところで今日11月14日は国民的RPG(ロールプレイングゲーム)、「ドラクエⅢリメイク」の発売日( ´艸`)!
ネットニュースを読むと、会社員の中には、有休を確保して今日一日をドラクエdayとして過ごす方もいるとか! 診療の為クリニックを休めない立場の私からすれば、本当に羨ましい限りです!
(心からそう思っている私…。)
ちなみに私がファミコンのドラクエⅢを買ったのは、36年前の中学3年生の時。
当時は、ソフトを手に入れるために学校を休んだ罰当たりな学生もいました。また、せっかく行列に並んで抽選券をゲットした末に入手したドラクエⅢを、帰り道に不良にカツアゲされた可哀そうな小学生のケースも報道されていました( ;∀;)。
一方、おもちゃ屋の中には、人気がないつまらないゲーム(今でいうクソゲー)とドラクエⅢを抱き合わせにして、高値で子供に売りつける悪徳店主もいたりして、とにかく話題に事欠かない、一世を風靡した名作ゲームでした。
そんな悲喜こもごものニュースを生んだドラクエですが、ドラクエの事を思い出すたびに、パニック障害の治療の事を思い出してしまいます。
パニック障害に関しては2022年9月のブログで一度触れましたが、突然出現する不安感や恐怖感、動悸といったパニック発作の為に、「次はいつ来るんだろう?」という予期不安を抱くことになります。
予期不安やパニック発作が長続きすると、患者さんの行動範囲も制限されることとなり、以前は難なく行けた場所にも行くことが困難になる「広場恐怖症」を発症してしまいます。
そんなパニック障害の治療では、まずはその患者さんが不安発作がなく、穏やかな日常を取り戻すことが重要です。当クリニックではSSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)や漢方薬の使用により、ほとんどの患者さんで良好な不安コントロールが得られています。
そして発作自体のコントロールが図れた後は、予期不安や広場恐怖症に対してのアプローチを行っていくのですが、ここで有効なのが「不安階層表」の作成です。
不安階層表とは、特定の不安や恐怖に対処するために使われる心理療法の技法で、不安の強さに基づいて、状況や行動を段階的に並べたリストのことを指します。
患者さん自身が直面している不安や恐怖を軽度から重度へと階層的に並べ(多くは10段階)、不安を少しずつ克服するために使用されます。
この方法は、系統的脱感作法(systematic desensitization)や曝露療法(exposure therapy)と呼ばれる手法の一部になるのですが、実に私から見るとドラクエ的なのですよね(笑)。
例を挙げますと
- 不安階層表のレベル ⇒主人公のレベル
- 苦手なシチュエーションや恐怖感を感じる場所 ⇒モンスター
- 一番怖いレベル10のシチュエーション ⇒魔王(ボス)
- 新しい段階への挑戦 ⇒レベルアップ
- 頓服薬 ⇒回復薬や魔法
- 助けてくれる家族 友人 ⇒パーティの仲間
こんな感じでしょうか。
ドラクエの場合、スタートしていきなりボスである魔王と戦うことはできません。
もし戦えたとしても、瞬殺されてしまうのがオチです。
(大体、パニックの方が最も恐れる大魔王は飛行機の中であることが多いです)
これと同じように不安階層表をクリアしていく場合も、まずは低いレベルからスタートしないといけません。近所のコンビニであったり、自宅近辺の運転であったり、丁度ドラクエでいうところのスライムやドラキーを相手にするところから始めるわけです。
そしてレベルが上がり、中ボスである「美容室での洗髪」や「混んだ地下鉄」などがクリアできれば、今まで怖かった場所は、もはや全く恐れない状態となっているでしょう。
どうしてもクリアしにくいと感じたならば、その時は抗不安薬や漢方の頓服薬を使用してみてください。自分にバフがかかり、ご自身のメンタル状態の強化、もしくは敵モンスター(怖い場所)の弱体化を図ることができます。
そして自分一人での冒険が難しく感じられたなら、是非仲間を頼ってください。
事情を知ってくれている家族や、友人が加勢してくれれば、一人では倒せないモンスターもきっと克服できることでしょう(^_-)-☆
今回のお話は、不安階層表だけでなく、うつ病や適応障害からの社会復帰にも応用できるものです。
最後に、不安かつ理不尽な世の中も、リアルドラクエ感覚で楽しめる…。そんな院長に私もなりたいものです(´∇`)(笑)。